ペーパーフィルターをお湯で濡らす理由ってなに?
濡らした場合と濡らさなかった場合、なにが変わるの?
どうすべきか教えて!
こういった悩みを解決します。
本記事の内容
- ペーパーフィルター濡らす3つ理由について
- 濡らす・濡らさない場合の具体的な味の違い
- 濡らす際の注意点
本記事の信頼性
- COFFEE MAP 管理人(SHUTO 24歳)
- OGAWA COFFEE LABORATORY元バリスタ(バリスタ歴4年)
- 年間200店舗のコーヒー屋さんを巡るコーヒーマニア
- コスタリカのコーヒー農園に訪れた経験あり
- コーヒーインストラクター(バリスタ指導経験あり)
バリスタ見習いの頃、先輩がペーパーフィルターをお湯で濡らしていたので、僕もなんとなくやっていました。
しかし、コーヒーの抽出は、行為そのものに対して『なぜやるのか?』という明確な根拠を理解することが重要です。言われた通りやるだけでは、美味しいコーヒーを抽出する技術は伸び悩みます。
そこで本記事では、ペーパーフィルターをお湯で濡らすべきかどうかについてや、それぞれの根拠をバリスタ目線でわかりやすく解説していきます。
本記事を読むことで、ペーパーフィルターの理解が深まり、より美味しいコーヒーを淹れられるようになりますよ。
この記事を読めば、コーヒーを始めるのに必要な器具が分かりますよ。
結論:ペーパーフィルターはお湯で濡らすべき【3つの理由をバリスタ目線で解説】
結論から言ってしまうと、ペーパーフィルターはお湯で濡らすべきです。
理由は3つあります。
- 毎回、同じクオリティを保つため。
- 濡らすことで、ペーパーフィルターのニオイを取るため。
- ドリップのシミュレーションになる。
それぞれ解説していきます。
理由その1:毎回、同じクオリティを保つため【ペーパーフィルターをお湯で濡らすことで条件が整う】
ペーパーフィルターを濡らすことで、コーヒーのクオリティが安定します。
どういうことかと言うと、お湯でペーパーフィルターを濡らすことで、ドリッパーやサーバー(抽出したコーヒーが入る容器)を温める事ができます。
ご自宅の環境などで、ドリッパー自体の温度が毎回変わると、コーヒーの抽出効率(抽出する強さのこと)も変わってしまい、毎回微妙に違った味のコーヒーができてしまいやすいんです。
『昨日淹れたコーヒーとなんか味違う、、』となった時に、なにが要因でそうなったのかが分からないと改善のしようがないので、そういった要因の一つをなくすことで抽出の悩みも減らすことができますよ。
サーバーは温めておくことで、抽出したコーヒーの温度を冷まさないようにすることができます。
コーヒーは抽出してから温度がどんどん下がっていき、温度に伴って香りも弱まっていくので、香りを充分に楽しむためにもコーヒーをなるべく冷まさないための工夫が大切です。
そこで、ペーパーフィルターをお湯で濡らすついでにサーバーも温めてしまいましょうということですね。
まとめると、ペーパーフィルターをお湯で濡らせば、ドリッパーとサーバーも温めることができるので、一石三鳥ということです。
理由その2:お湯で濡らすことで、ペーパーフィルターのニオイを取るため【開封後に注意!】
お湯で濡らすことで、ペーパーフィルター独特のニオイを取ることができます。
ペーパーフィルターのニオイがコーヒーの味わいにどう影響するかについては、過去に記事を書いているのでそちらをご覧ください。以下に貼っておきますね。
ペーパーフィルターの開封後は部屋のニオイを吸いやすくなるので注意が必要ですよ!
理由その3:ペーパーフィルターをお湯で濡らすついでに、ドリップ前のシミュレーションができる
本番前のシミュレーションはかなり重要です。
なぜかというと、プロのバリスタでもその日最初のドリップというのは、一番失敗しやすいものだからです。
実際に僕もお客様に提供する前に、調整のために練習していました。
上手に注げているイメージができないまま注いでしまうと、淹れる量を間違えたり、見当違いの場所に注いでしまったりといつもならしないようなミスをしてしまう可能性が高くなります。
なのでペーパーフィルターを濡らすついでに、本番前の練習をしてから抽出をすることで、美味しいコーヒーが楽しめるはずですよ。
コーヒーの美味しさは準備が9割です。美味しいコーヒーを飲むために、こちらの記事も読んでおきましょう。
話を戻しますが、ペーパーフィルターを濡らすついでにドリップの練習をすることで、ミスを減らすことができ、美味しいコーヒーが飲めるようになります。
次の章では、ペーパーフィルターを濡らすことでコーヒーの味わいにどう影響を与えるのかについて写真付きで解説してきますよ。
ペーパーフィルターを濡らす・濡らさない場合で味はどう変わるのか?
実際に、ペーパーフィルターをお湯で“濡らして”抽出したコーヒーと、“濡らさずに”抽出したコーヒーを比較してみました。
今回の検証に使用したコーヒーはこちらです。
以前僕が勤めていた店舗のコーヒーです。こちらのコーヒーはもちろんのこと、フードもめちゃくちゃ美味しいので、ぜひ訪れてみてください。
それではまず、ペーパーフィルターをお湯で濡らした場合を見ていきましょう!
ペーパーフィルターをお湯で“濡らして”抽出した場合
ペーパーフィルターをあらかじめお湯で濡らすことで、水分がペーパーフィルターの繊維の隙間に入り込みます。
そしてペーパーフィルターの隙間に入り込んだ水分が、コーヒ豆から抽出されたコーヒーオイルをドリッパー内にとどめる役割を果たします(水と油は混ざることなくぶつかり合うため)。
その結果、コーヒーオイル以外のコーヒー成分が透過し、お湯で濡らしているため紙のニオイもしっかり除去されているため、クリーンでスッキリとしたコーヒーが出来上がります。
次は、ペーパーフィルターをお湯で濡らさなかった場合を見ていきましょう!
ペーパーフィルターをお湯で“濡らさず”抽出した場合
ペーパーフィルターをお湯で濡らさずに抽出すると、まず最初に抽出されたコーヒー成分がペーパーフィルターに付着します。
そして、最初に付着したコーヒー成分を押し出すかたちでコーヒー成分が透過していくので、コーヒーオイルが比較的通り抜けやすい状態ができます。
なので、出来上がったコーヒーには比較的多くのコーヒーオイルが入り込むため、口当たりがトロッとした印象になります。
ですが、ペーパーフィルターをお湯で濡らしていないため、元々ペーパーフィルターに付着していたニオイがコーヒーに溶け込んでしまい、少し濁ったような香りや味わいになります(コーヒー以外になにかいる感じ、、)
結論、ペーパーフィルターをお湯で濡らさないことで、コーヒーオイルが透過しやすく、トロッとした質感を楽しむことはできるが、総合的な味わいを考えた場合、お湯であらかじめ濡らした方のコーヒーが美味しい!ということですね。
次の章では、ペーパーフィルターの上手な濡らし方を写真付きで解説します!
有名バリスタが厳選した4種のお試しスペシャルティコーヒー!送料無料
ペーパーフィルターの上手なお湯の濡らし方
ペーパーフィルターの濡らし方にもコツがあります。
具体的に言うと、最初に濡らす場所が大切です。この場所を知っていると、ペーパーフィルターがずれたり、手を火傷してしまうリスクを防ぐことができますよ。
写真付きで解説します。
まず、ペーパーフィルターをセットします。
ドリッパーの真ん中に2~3秒、優しくお湯を注ぎます。
※フチから注ぎ始めると、こぼしたり火傷してしまう可能性があるので、スタートは真ん中から!
螺旋状にゆっくりと広げるように、濡らす範囲を広げます。
完成です!
以上のように注ぐことで、スムーズかつ安全にペーパーフィルターを濡らすことができますよ。
ぜひ参考にしてみてください!
最後に、今回のまとめです。
ペーパーフィルターをお湯で濡らすべき理由 まとめ
本記事のまとめです。
ペーパーフィルターをお湯で濡らすべき理由
- クオリティの安定【失敗を防ごう】
- ニオイをとって、より美味しいコーヒーを抽出するため
- ドリップの練習ができるから
濡らした場合と濡らさない場合の味の違い
- お湯で濡らした場合、、、 クリーンでスッキリとしたコーヒーができる
- お湯で濡らさなかった場合、、、 トロッとした口当たりのコーヒーができる。しかし、香りや味わいに濁りがある
ペーパーフィルターを上手に濡らすコツ
- 真ん中から注ぐ
- 螺旋状に濡らす範囲を広げていく
いかがでしたでしょうか?
ペーパーフィルター1つでこれだけの違いがコーヒーには表れます。
僕も今回の検証で、コーヒーがとても繊細な飲み物であることを改めて実感することができました。
今回の検証はあくまでボク個人の意見であり、もしかしたら僕とは違った意見もあるかもしれないので、よかったら皆さん自身でも試してみてください!
これからも皆さんにとって有益なコーヒーの情報を発信していきます!
みんなのコーヒーが1%美味しくなりますように。
それではっ!
コメント